第3回 琵琶湖博物館はしかけグループ「近江はたおり探検隊」

琵琶湖博物館:中藤容子さんにお話を伺いました。

ケアクラフトの岡崎会長さんから県立琵琶湖博物館のはしかけグループのなかに「近江はたおり探検隊」というおもしろい活動をされている会がある」との情報を得て、さっそくインタビューに出向きました。取材に応じていただいたのは学芸員の中藤容子さん。仕事柄,語り方がとてもユニークで内容は地味なんだがなんでも興味を湧かせる説明ぶりには取材も忘れて聞き惚れているうちのあっという間の2時間となり、取材後の別れ際に「いったい何を取材に来たのかね」なんてレポーター同士顔を見合わせ苦笑する場面もありました。

この会は、近江の中世に残る機織りの技が近年、ナイロンなど科学繊維の台頭でこの数十年の間に急速にすたれて姿を消してしまったことに危機感をいだき、2004年の博物館資料展をきっかけに結成された会であります。失われつつある近江の古き良き機織り文化を実際に調査し、その技を再現・伝承しようと、日本の綿を種から育てて自分で紡いだ糸で藍染木綿を織ったり、苧麻(カラムシ)や麻、葛などの繊維や藍染めや草木染めなど地道な取り組みをされています。


     博物館玄関前のつつじ

インタビュー

学芸員より屋外の説明を受ける
活動としては、月に2回会員が集る「織姫の会」や「機織用具の製作」、「はたおり探検」、「近江はたおり研究会」などを行っています。また、地域の伝統文化活動グループや大学の研究グループと連携して協働したり研究することにも力を入れておられ、古い機や道具類、或は綿、麻、葛織物衣類や反物などを収集し保存したり、再現するなど盛りだくさんです。


綿をほぐす

糸車

機織り
龍谷大学「暮らしの中の造形展」での「近江はたおり探検隊」協力実演展示より撮影

我が家でも祖母が幼い頃、機織りをしていた記憶がどこかに残っており、取材後、このことを87歳の母に語ると、どこからか祖母が織った反物を取り出してきた。戦後もしばらくは、近江のほとんどの家では機織りがされていたようですが、皆さんも情報をおもちの場合は提供をされてはいかがでしょうか。               (「ぜひ、お願いいたします!」は中藤さんの生の声です)

「近江はたおり探検隊」の活動には誰でも参加できます。琵琶湖博物館の「はしかけ登録講座」を受講しますとはしかけ会員として登録されます。登録後は「はしかけ制度」で活動している14のグループ(近江はたおり探検隊もそのひとつ)のどれにでも参画し、学芸員さんや他の会員の皆さんと一緒に活動できます。全て活発で明るく愉快に活動をされている会ばかりです。(http://www.lbm.go.jp/hashikake/hashikake.html)

取材者:辻村庄司・畠山寿枝(びわこシニアネット情報サポーター)